子育て中は日々を回すだけでいっぱいいっぱいになり、「誰かの力を借りたい!」と思ったことがあるという方は少なくないのではないでしょうか。また、保育園を利用していたとしても急に残業が入ったり、リフレッシュのためには預けられなかったり、どうしてもカバーできない部分が出てくることがありますよね。
そんなときに活用したいのが、東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)という制度です。東京都と各区市町村が連携して実施している制度で、対象となる家庭はベビーシッター利用料金の補助を受けられるため、通常よりも大幅に負担を抑えて利用できます。東京都民であれば、絶対に利用した方がよい大変お得な制度です。ただし、この制度は自治体ごとに運用方法が異なり、「対象になる人」「申請方法」「利用できる事業者」などが少しずつ違います。
この記事では、東京都ベビーシッター利用支援事業(一時預かり)について、
- 制度の概要
- 一時預かりと事業者連携型の違い
- 利用方法
- おすすめの活用例
- 注意点
まで詳しく解説します。
東京都のベビーシッター利用支援事業とは?
東京都のベビーシッター利用支援事業とは、東京都が実施している子育て支援制度です。認定を受けたベビーシッター事業者を利用した際、利用料金の一部を東京都と自治体が補助してくれるため、より安価にベビーシッターサービスを利用できます。仕事と育児の両立を支援するだけでなく、保護者の育児負担軽減やリフレッシュなど、さまざまな目的で利用できる点が特徴です。
近年は共働き世帯の増加や保育ニーズの多様化に伴い、制度を導入する自治体も増えており、東京都内では多くの区市町村がこの事業を実施しています。ただし、東京都一律条件で全域利用できるわけではなく、制度を導入している区市町村のみ利用可能です。また、対象年齢や補助時間数などは自治体によって異なります。
そのため、まずはお住まいの自治体が制度を実施しているか確認することが大切です。
参考:実施区市町村
東京都のベビーシッター利用支援事業の種類
東京都ベビーシッター利用支援事業には、大きく分けて次の2種類があります。
- 一時預かり利用支援
- 事業者連携型(待機児童・育休復職支援)
それぞれ対象者や利用目的が異なるため、違いを理解しておきましょう。
①一時預かり利用支援
今回の記事で主に紹介するのが、「一時預かり利用支援」です。一時預かり利用支援は、保護者が必要なタイミングでスポット利用できる制度です。
例えば、
- 急な残業
- 出張
- 通院
- 冠婚葬祭
- 学校行事
- 上の子の習い事の送迎
- リフレッシュ
など、特に制限なく幅広い用途で利用できます。補助金額は1時間2,500円が上限で、児童1人につき年度あたり144時間利用することができます ※多胎児(双子など)、障害児、ひとり親家庭の場合は、児童1人につき年度あたり288時間まで利用可能です(利用金額・利用上限時間は市区町村によって異なります)。
つまり、もし1時間4,000円のベビーシッターを5時間利用した場合、通常なら4,000×5=20,000円かかりますが、東京都の補助を利用すると20,000-2,500×5=7,500円の手出しで済むということです。福利厚生会社が出しているクーポンや子ども家庭庁が出している割引券と比べても補助額が大きく、大変お得な制度です。
②事業者連携型(待機児童・育休復職支援)
もう一つが「事業者連携型」です。こちらは、一時預かりとは目的が異なります。
主に、
- 保育園に入園できず待機児童となっている家庭
- 育児休業から職場復帰する保護者
を対象に、継続的なベビーシッター利用を支援する制度です。勤務日に合わせて定期利用するケースが多く、就労支援の意味合いが強い制度となっています。一時預かり利用支援とは対象者や利用条件が異なるため、自分が利用したい制度がどちらなのか事前に確認しておきましょう。
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)の使い方
ここからは、主に東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)について解説します。一時預かり制度を利用する流れは自治体によって多少異なりますが、基本的には次のような流れになります。
①対象自治体か確認する
まず確認したいのが、お住まいの自治体が制度を導入しているかどうかです。東京都が制度を実施していても、区市町村が参加していなければ利用できません。自治体ホームページや東京都の案内ページで確認しましょう。
②利用条件を確認する
次に、
- 対象年齢
- 利用目的
- 年間利用時間
- 補助額
- 利用可能時間帯
などを確認します。区によって、未就学児までが対象なのか、小学生も対象に入るのかなど条件が異なります。思い込みで予約すると補助対象外になることもあるため、事前確認は必ず行いましょう。
③対象事業者を選ぶ
制度では、東京都が認定したベビーシッター会社のみ対象となります。認定外のベビーシッター会社を利用しても補助対象となりませんので、注意してください。
また、同じ会社でも東京都の補助の対象となるプランと対象外となるプランがあるケースもあります。予約前に東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)の対象サービスかどうかを確認しましょう。
参考:認定事業者一覧
④利用予約をする
利用したい会社・日時が決まったら予約をします。東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)を利用するには、ベビーシッター会社の方からも準備が必要な書類等がありますので、入会手続きや予約時には必ず「東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)を利用予定です。」ということを担当者や担当シッターに伝えるようにしましょう。
現在、東京都では補助が手厚くなってきていることもあり、どこのベビーシッター会社も予約が取りにくく(シッターが確保しにくく)なっています。利用予定が決まっている場合は直前ではなく、早めから予約しておくことをおすすめします。
⑤利用・支払い
シッター利用後は、利用料金を通常通り支払います。自治体によって利用方法は異なりますが、基本的にはいったんベビーシッター会社指定の金額を全額支払い、あとで補助を申請するという方式が多くなっています。最初から補助ありきの金額のみの支払いとなるわけではありませんので注意してください。
⑥必要書類を提出する
ベビーシッター利用後、東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)を申請するには以下の書類をベビーシッター会社に発行してもらう必要があります。発行のタイミングは各ベビーシッター会社によって異なるので、毎月忘れずに発行してもらうようにしましょう。
- 領収書(利用明細が記載されているもの)
- 利用明細書(利用日時、児童名、料金内訳が記載されたもの)
- ベビーシッター要件証明書
申請の期限についても各区によって異なるため、ここについても必ず事前に確認が必要です。例えば港区であれば、ベビーシッターを利用した月の翌月10日または25日までにオンラインもしくは郵送にて申請を行います。毎月2回の締め切り日に間に合わなかった場合でも、年度の最終申請締切日(毎年4月15日あたり)までの申請であれば受け付けは可能ですが、最終申請締切日を過ぎた場合は、いかなる理由でも前年度分の補助を受けることはできません。また最終申請締切日までに区の予算が消化しきってしまった場合などは補助が受けられない可能性もありますので、できる限り毎月2回の締切に間に合うように申請を行った方がよいでしょう。
制度の活用例
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は、「どうしても預けなければならない日」だけでなく、日常生活のさまざまな場面で活用できることが特徴です。「ベビーシッターは特別な日だけ利用するもの」というイメージを持つ方もいますが、実際には家事・育児・仕事のバランスを整えるためのサポートとして定期的に利用している家庭も少なくありません。そういった利用方法はベビーシッター側としても予定を押さえやすく、お子様の生活リズムに合わせやすくなるなどメリットが大きいです。ぜひ以下の活用例を参考に、定期的なベビーシッターの利用を検討してみてください。
参考記事:質の高いベビーシッターにお願いするためにはどうしたらよいか
①毎週〇曜日は残業可!時間を気にせず仕事に集中できる
共働き家庭では、母親と父親で必死にやりくりしながら保育園の送迎を行っていることが多いと思います。特にお迎え担当の場合、決まった時間に迎えに行かなくてはいけないので緊張感がありますし「残業できない」という気持ちが仕事のプレッシャーにもつながります。
そこで、例えば毎週月曜と木曜はシッターさんに保育園のお迎え~寝かしつけ準備(17:00~21:00)までをお願いし、「残業しても大丈夫な日」とします。するとその日は時間を気にせずきりのよいところまで仕事を進めることができますし、もし残業がなかったとしても同僚とのさくっとご飯や会食など、今まで子どもがいて諦めていた夕方以降の予定を入れることが可能になります。また残業なしで帰ったとしても子どもはシッターさんが一緒に遊んでくれているので、平日なのにゆっくりご飯を作れたり、家事をこなすことができたりとQOLがぐんと上がります。制度を上手に活用するために、「疲れ切ってから利用する」のではなく、「疲れすぎないために利用する」のがポイントです。
②子育て家庭は週末も忙しい!週末のリフレッシュに
子育ては24時間365日続くものです。「少しだけ一人の時間がほしい」「美容院に行きたい」「夫婦でゆっくりランチを楽しみたい」「平日に行けない病院に通院したい」など、週末子どもと一緒にやりたいこともたくさんありますが、夫婦や自分一人でやりたいこともたくさんありますよね。そんな時、週末のベビーシッター利用をおすすめします。
※東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は幅広い用途に利用できますが、利用目的は自治体ごとに異なるため、リフレッシュ利用が対象となるかは事前に確認してください。
たとえば毎月2回、土曜の9:00~15:00にベビーシッターを予約しておきます。隔週で自分の予定を入れたり夫婦でゆっくりでかけることができるため、平日に頑張るためのエネルギーチャージにもなります。子どもは平日保育園帰宅後は意外とゆっくり家で遊ぶ時間が取れなかったりするので、週末にシッターさんと家や公園でじっくり遊ぶことができるというメリットもあります。
③毎週〇曜日は家事リセットの日!
①と似ていますが、家事をするためにベビーシッターを決まった曜日に利用しているという家庭もあります。アンケートで育児に関するストレスを聞いてみると、「家事が思うように進まない」という項目を挙げる方も多くいます。子どもが泣いてしまったり度々呼ばれたりすることで家事を完遂できないというのは意外とストレスに感じるものです。しかし、家事代行などで知らない人に自宅の家事を任せるというのは抵抗があるという方も多いのではないでしょうか。
そんな家庭におすすめなのが、例えば毎週金曜日の夕方にベビーシッターを予約しておき、シッターさんと子どもが遊んでいる間に家事を集中してこなすという使い方です。作り置きの料理を作ったり水回りの掃除をしたり、大きめの洗濯物を回したり…日々やりたいと思いつつできていない家事というのは意外と多くあるものです。家の中が綺麗に保たれていると、忙しい毎日の中でも心の余裕が生まれます。毎週利用することで相性の良いシッターさんの予定も押さえやすいので、とてもおすすめの利用方法です。
④兄弟・姉妹育児のサポートにも
下の子の健診や予防接種、上の子の学校行事など、兄弟姉妹がいる家庭では「一人だけを連れて行きたい」という場面があります。
例えば、
- 下の子の乳幼児健診に集中したい
- 上の子の授業参観に参加したい
- 習い事の送迎が重なってしまった
このようなときにベビーシッターを利用すれば、保護者の負担を減らしながら、それぞれの子どもにしっかり向き合う時間を確保しやすくなります。子どもが複数いても、一人ひとりに向き合う時間というのは必ず必要です。ぜひそんな時こそベビーシッターを利用してみてください。
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)で注意したいルール
便利な制度ですが、利用にあたってはいくつか注意点があります。「補助を受けられなかった」「申請が間に合わなかった」といったトラブルを防ぐために、必ず事前に確認しておきましょう。
①自治体によって利用条件が異なる
もっとも重要なのが、自治体ごとに制度内容が異なるという点です。
例えば、
- 対象となる子どもの年齢
- 利用できる目的
- 年間利用可能時間
- 補助金額
- 申請方法
- 必要書類
などの項目が区市町村によって異なります。そのため、お住まいの自治体の最新情報を確認することが大切です。
②認定されたベビーシッター会社以外では補助対象外
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は、東京都が認定したベビーシッター事業者を利用した場合のみ補助対象となります。知人から紹介された個人契約のシッターや、制度対象外のサービスを利用した場合は補助を受けられません。また、対象事業者であっても、一部サービスやオプション料金は補助対象外となる場合が多いです。利用しようとしているベビーシッター会社が対象かどうか、予約前に確認しておくと安心です。
参考:ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援) 認定事業者一覧
③利用目的に制限があることも
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は基本的に就労に限らず様々な用途に利用できる補助ですが、区によっては、「就労」「通院」「冠婚葬祭」等利用目的に制限がある場合があります。就労に利用するには就労証明書等別途書類が必要になることもありますので、利用目的についても事前に確認しましょう。
④領収書や利用証明書などの必要書類は必ず保管する
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は利用後後日まとめて申請することが多くなっています。その際、領収書や利用証明書などの書類が必ず必要となります。必要書類がどのようにもらえるかは各ベビーシッター会社によりますが、必要書類を紛失したとしても再発行不可の会社もありますので書類の保管には注意しましょう。
⑤申請期限は死守する
自治体では申請期限が決められています。「あとでまとめて申請しよう」と思っているうちに期限を過ぎてしまうケースも少なくありません。締切後の申請についても自治体によって取り扱いが異なりますが、一切受付不可となる場合もあります。利用後は早めに必要書類を確認し、余裕をもって手続きを行いましょう。
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)に関するよくある質問
Q. 誰でも利用できますか?
制度を実施している東京都内の区市町村に住民票がある方で、自治体が定める条件を満たしていれば誰でも利用することができます。世帯年収等により利用に制限がかかることはありません。
Q. 当日予約でも利用できますか?
ベビーシッター会社によって、当日予約が可能かどうかは異なります。また制度上は可能でも、実際に利用できるかどうかはベビーシッターの空き状況によります。急な利用に備え、事前登録や面談等だけでも済ませておくと安心です。
Q. 兄弟・姉妹も一緒に預けられますか?
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)を兄弟で利用する場合、基本的に「お子様1人につきシッター1人の配置」が原則となります。そのため、兄弟姉妹で両方東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)を利用したい場合、シッターも複数体制が必要です。ただし、共同保育(保護者とシッターが一緒に保育する形)が認められる利用方法であれば、未就学児の兄弟であってもシッター1人で同時に補助対象となる場合があります。自身が検討している利用方法が共同保育にあたるかどうかは、必ず事前に利用予定のベビーシッター会社に問い合わせてください。
Q. 病気の子どもでも預けられますか?
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は、病児の対応をお願いした場合でも補助の対象となります。しかし、ベビーシッター会社によっては病児の対応をしていない企業も多くありますので、事前に確認するようにしましょう。
Q. 補助金はいつ受け取れますか?
後日申請方式の場合は、自治体で審査が行われた後に支給されます。支給時期は自治体によって異なりますが、申請した月の翌月末〜2ヶ月後頃となるケースが多いようです。
まとめ
東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり)は、子育て家庭が必要なタイミングでベビーシッターサービスを利用しやすくするための支援制度です。こ急な仕事や通院といった「どうしても預けたい日」だけでなく、保護者のリフレッシュやきょうだい育児のサポートなど、幅広い場面で活用できるというのがこの制度の一番のメリットと言えます。一方で、制度の対象者や利用条件、補助内容、申請方法は区市町村によって異なります。利用を検討する際は、まずお住まいの自治体が制度を実施しているか、対象となるベビーシッター事業者はどこか、どのような目的で利用できるのかを確認することが大切です。
ベビーシッターを利用することは、「誰かに育児を任せる」のではなく、「子育てを社会全体で支える」という考え方につながります。制度を上手に活用しながら、保護者自身も無理をしすぎず、家族みんなが安心して過ごせる環境づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

















