はじめに
2026年4月に育休から復職を予定している方にとって、これからの時期は非常に大切です。復職は今までとは違うまったく新しい生活のスタートでもあり、同時に想像以上の慌ただしさが待ち受けています。そこでこの記事では、育休後スムーズに職場復帰を果たすために、だいたい半年前くらいから準備しておきたいことを整理します。
育休取得率の推移と社会の変化
まずは社会全体の流れを見てみましょう。厚生労働省の調査によると、近年の育児休業取得率は女性ではほぼ9割に達しており、今や出産後に産休→育休を取ることは当たり前になっています。注目すべきは男性の育休取得率で、2022年度には30%を超え、国としても「男性育休の推進」が重点施策になっています。とはいえ、実際に半年~1年などの長期間育休を取得する男性はまだ一部に限られており、家庭の家事・育児の中心は依然として女性に偏りがちだという現実もあります。育休からの復職をスムーズにするには、女性だけではなく「夫婦での協力体制の構築」がますます重要になっています。
復職後の生活は想像以上に慌ただしい
「仕事と育児の両立」と聞くと、頭では理解していても、実際に経験するとその忙しさは想像をはるかに超えるものです。 朝は子どもの身支度、保育園の送り、通勤、日中は仕事に全力を尽くし、帰宅すれば迎えや夕食準備、寝かしつけ…。どれかひとつでもイレギュラーが発生すれば、一日のスケジュールが簡単に崩れてしまいます。
育休中は「時間が読めない赤ちゃんのお世話」に翻弄されますが、復職後は「時間割に縛られた生活」となり、そこに仕事の責任も加わるため心身の負担は一層大きくなります。このギャップを埋めるためには、事前準備が欠かせません。
復職準備は保育園の確保だけでは不十分
多くの方がまず最初に復職に向けて取り組むのは「保育園探し」です。確かに保育園の入園は最優先事項であり、無事に入れるかどうかは復職計画に直結します。しかし、保育園が決まったからといって安心はできません。 子どもが体調を崩して登園できない日もありますし、保育園の送迎時間に縛られる生活は、夫婦どちらかの仕事にしわ寄せがいきがちです。つまり「保育園=完全解決策」ではなく、補完的なサポートが必須なのです。
夫婦で家事・育児分担をきちんと決める
復職前に必ず話し合っておきたいのが「家事・育児の分担」です。
- 誰が保育園の送迎をするのか
- 子どもが発熱した場合、どちらが休むのか
- 平日の夕食はどう準備するのか
これらを曖昧にしたまま復職すると、いざというときに揉めたり、どちらかに負担が偏ったりします。具体的な役割分担を決めておくことが、夫婦円満と育児継続の両方に直結します。
また、子どもが発熱した場合にまずお迎えに行くのが母親担当だったとしても、母親の仕事の状況(〇時まではミーティングを抜けられない、出先でお迎えに相当時間がかかってしまう等)次第では当然父親がすぐにお迎えに行く必要があります。また、子どもが体調を崩したとき、夫婦どちらかもうつってしまってダウンしてしまい、料理など自分の担当ができないということも充分あり得ます。どの分担も「担当以外は自分は関係ない」と思わず、相手の担当業務もこなせるよう常に気にかけるようにしましょう。
時短家電の導入も検討する
もうひとつ、物理的な負担を軽減するために有効なのが「時短家電」です。食洗機、乾燥機付き洗濯機、ロボット掃除機など、これらを導入するだけで毎日の家事時間を大幅に削減できます。 復職後は「1日の自由時間がゼロになる」と言っても過言ではありません。家事を“人の手”だけで回そうとするのではなく、“機械に任せられる部分”は思い切って投資することが、余裕を生み出します。
また、「毎日手作りご飯を作る」ということは諦め、外注先を複数見つけておくことも大切です。日々の食事はもちろん大切ですが、共働き家庭にとって毎日・毎食を手作りするというのは現実的ではありません。生協などの宅配サービスなのか、近所のお惣菜屋さんなのか、週末の作り置きなのかは家庭それぞれですが、「今日はもう作る元気もない…」となった時の選択肢はたくさん持っておきましょう。
保育園+ベビーシッターの活用は復職の大きな助けになる
保育園に加えて検討すべきなのが「ベビーシッターの活用」です。「保育園さえ確保できれば大丈夫」と思いがちですが、復職後は思ったようにはいかないことが多くあります。たとえば急な残業や、度重なる子どもの体調不良など。復職後は初めての集団生活で子どもの体調不良が頻発し、保育園に月の半分も行けなかったということも珍しくありません。しかも、保育園によっては「解熱後24時間が経過しないと登園禁止」というところもあり、子どもの熱が下がったからといってすぐに登園できるわけではないのです。子どもは元気に走り回っているのに、保育園に預けられず仕事に行けないというケースも考えておかなければいけません。
そんな時に役に立つのが「ベビーシッター」の存在です。たとえば平日週に1回、定期的にシッターさんを予約しておくことで「この日は保育園のお迎えをお願いしてあるから心置きなく残業できる」という余裕が生まれます。また、子どもに熱はないけどまだ保育園に行けない…といった時でもシッターさんにお願いすることで、仕事をすることができます。近年はこども家庭庁のベビーシッター券など割引制度も多くなってきていますので、少し前と比べると格段にリーズナブルにベビーシッターを活用することが可能です。
しかし、ここで注意すべきは「良いシッターはすぐには見つからない」という現実です。共働き家庭の増加や在宅勤務の普及もあり、ベビーシッター需要は近年急速に高まっています。人気のあるシッターは予約が取りづらく、いざ必要になってから探しても「空いていない」「条件が合わない」といったケースが多発します。そのため、復職直前になって慌てるのではなく、だいたい復職の半年~3ヵ月くらい前から信頼できるシッターを探し、登録・面談・利用の流れを済ませておくことが重要です。
参考記事:質の高いベビーシッターにお願いするためにはどうしたらよいか
復職より早めにベビーシッターを利用しておくメリット
ベビーシッターの利用を「非常のとき用」と考える方も多いですが、実際には早めに利用を始めることで大きなメリットがあります。
- 子どもがシッターに慣れる時間を確保できる
- 親自身もシッターに子どもを預ける感覚に慣れる
- 定期的に利用することで信頼関係を築ける
「なにかあった時」に初めてシッターを利用すると、子どもはもちろん親の方も慣れていないことで余計な不安を子どもに抱かせてしまうことがあります。非常時だけでなく、普段から利用して慣れておくことで復職後に突発的な用事や子どもの体調不良があっても、安心して頼れる体制が整います。「保育園+シッター」の二本柱があることで、親の心身に余裕が生まれるのです。
復職後の平日フローにベビーシッターを組み込むイメージ
例えば、ベビーシッターを利用した復職後の1日はこんな流れになります。
- 8:00 夫が保育園へ送り
- 9:00~17:00 仕事(普段は時短勤務だが、シッターさんにお願いしている日は残業も可)
- 17:00~20:00 シッターさんが保育園へ迎え・手洗い・夕食・シャワー介助まで済ませる
- 20:00~21:00 親が帰宅後に寝かしつけや親子の時間
こうした仕組みを作ることで、「保育園にダッシュで迎えに行き、家に帰るだけでへとへと」「時間に追われて子どもの話をろくに聞けない」といったことがなくなり、逆に親子の時間を大切にできます。週に1日でもベビーシッター活用の日を作ることで、平日の余裕がまったく違ってきますよ。
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