かつてはごく一部の家庭の「特別な手段」と思われていたベビーシッターの利用。ところが近年、共働き家庭の増加や育児と仕事の両立に対する社会的な関心の高まりを受けて、その利用は広がりを見せています。
「ベビーシッターってどれくらいの家庭が使ってるの?」
「ベビーシッターを利用している家庭は、どれくらいの頻度で使ってるの?」
こうした疑問を持つ方のために、本記事では直近のデータをもとに、ベビーシッター利用の実態を紐解きつつ、現代の「子育て」について考えていきます。
ベビーシッターの利用率はどれくらい?
ベビーシッター利用家庭の割合は、厚生労働省や内閣府、または民間の育児支援企業によって定期的に調査が行われています。ここでは主に以下のデータを元にご紹介します。
2022年度 内閣府「子ども・子育て支援新制度の利用状況」より
内閣府が発表した2022年度の調査によると、全国の子育て世帯(0〜12歳の子どもがいる家庭)のうち、「過去1年以内にベビーシッターを利用したことがある」と回答した割合は約4.8%でした。
都市部に限定すると、この数字は7〜9%とやや上昇します。また東京都23区内に限定すると、約25%と4人に1人が利用したことがあるという結果となっています。
認知度は高いが「使ったことがない」が多数派
一方で、子育て世帯を対象にした別の調査によると、「ベビーシッターがどういう役割であるか、利用用途を知っている」と回答した人は約95%となっていました。つまりベビーシッターという選択肢は広く認知されているが、実際の利用には心理的・制度的なハードルがあるということになります。
また、都市部ではベビーシッターサービスも充実しており複数社から選ぶことができますが、それ以外の地域ではあまり登録シッターがおらず、頼みたくても頼めないという状況もあります。ベビーシッターに対する支援が劇的に増えているここ数年の状況を見ると今後は都市部以外にもサービス提供範囲は広がっていくとは思いますが、現状としては地方でのベビーシッター利用はなかなか現実的ではないと言えるかもしれません。
ベビーシッター利用率利用が低い理由とは?
では、ベビーシッターサービスが充実している都市部でも、なぜ多くの家庭がベビーシッターを利用していないのでしょうか?主な理由としては以下のような声が挙げられます。
- 料金が高いと感じる(1時間2,000〜4,000円が相場)
- 他人を家に入れるのに抵抗がある
- 安全性や信頼性が心配
- 利用の仕方がよく分からない
- 自治体の補助が十分でない
つまり、「金銭的に利用が難しい」「使いたいけれど不安がある」「制度がわかりにくい」といった声が多いのです。
国や自治体による支援制度
こうした課題を受け、国や自治体でもベビーシッターの利用促進に向けた補助制度が整備されています。
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業(こども家庭庁ベビーシッター券)
これは企業が従業員向けにベビーシッターの費用補助を行える制度で、1回あたり最大4,400円まで補助されるという内容です。企業にとっても育児支援としての価値が高く、導入が進んでいます。
参考記事:こども家庭庁ベビーシッター券とは?
自治体による独自補助(例:東京都、横浜市、名古屋市など)
特定の自治体では、子どもの年齢や保護者の勤務状況に応じて、ベビーシッター利用にかかる費用の一部を補助する制度があります。条件や上限額は地域ごとに異なるため、居住自治体のホームページなどで確認するのが確実です。
特に東京都の主な区で行われているベビーシッター利用支援事業では、1時間あたり2,500円の補助が受けられることがあり、東京都在住の多くの家庭で使われています。
このように、ベビーシッターを使わない一番の理由となっている金銭的な部分については近年劇的に状況が変わってきていると言えるでしょう。
実際に利用している家庭の声
ベビーシッターを実際に利用している家庭に話を聞いてみると、その多くが「最初は不安だったが、今ではなくてはならない存在」であると言っています。
- 「定期的に頼める人ができて、仕事に集中できるようになった」
- 「急な体調不良があっても相談できる先があると思うと、心強い」
- 「子どもも“今日は◯◯さん来るの?”と楽しみにしている」
というように、信頼関係が築かれることで、育児と生活の質が向上したというケースが多く見られます。
また、ベビーシッターを利用している家庭の利用頻度のデータを見ると、以下のようになっています。
①週に1回程度利用している(約30%)
②2週間に1回程度利用している(約17%)
③週に2回程度利用している(約16%)
週に1回程度利用している家庭が約30%となっており、「定期的にこの曜日はシッターさんが来る」という形で利用していることがわかります。シッターさんと信頼を築き、安心して子どもを預けるには「急な体調不良で子どもの面倒が見れなさそうな時だけ利用しよう」「急に残業になった時だけ利用しよう」といった利用方法ではなく、定期的によいシッターさんを確保しておくというのが最善・最短の方法であると言えそうです。
参考記事:質の高いベビーシッターにお願いするためにはどうしたらよいか
「孫疲れ」にも気を遣わなければいけない現代の育児
現代の育児を取り巻く環境を表す言葉の一つとして、「孫疲れ」というものがあります。ひと昔前までは、子どもが産まれたら祖父母が同居、もしくは近隣に住み、子育てを一緒に行うことが当たり前でした。しかし現代では祖父母世代の年齢の方も働いている方が多く、また同居する家庭もかなり少なくなったために孫の世話を定期的に見るということが減ってきています。そのような状態で孫のお世話を頼み、祖父母が肉体的・精神的に疲れてしまうのが「孫疲れ」です。
子どもが産まれても、気楽に親にも頼りにくいのが現代の育児です。核家族化や少子化がどんどん進む中で、「母親・父親を孤独から守る」ことはこれから育児をする上で絶対に考えておく必要がある項目と言えるでしょう。
これからの時代に必要な「育児の選択肢」
子育てはそれぞれの家庭ごとに事情が異なります。夫婦の働き方や祖父母の状況、子どもの育てやすさなど条件は様々ですが、現代における「育児」はハードルが上がっています。そんな中でベビーシッターという存在は、保育園や祖父母とはまた異なる支援の形です。今は使わなくても、将来的に必要になるかもしれない。そんな「第3の選択肢」として知っておくことは、いざというときの大きな助けになります。
また、近年は夜間・病児保育など、よりニーズに応じたベビーシッターサービスも広がっており、「自分たちに合った支援」を柔軟に選べる時代になっています。育児を前向きに楽しむために、様々な選択肢を持っておくことは大切です。
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