11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」
毎年11月は、厚生労働省が定める「乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome:SIDS)対策強化月間」です。乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、それまで元気だった赤ちゃんが、眠っている間などに突然亡くなってしまう原因不明の病気のこと。日本では毎年およそ70〜90人前後の乳幼児がSIDSで亡くなっています。
その突然性から、育児中の保護者にとって最も恐れられる出来事の一つです。しかし、正しい知識と生活習慣でリスクを下げることは可能です。この記事では、乳幼児突然死症候群の正しい知識と対策について解説します。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?発症の原因と特徴
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、病気や外傷の痕跡がないにもかかわらず、睡眠中などに突然死亡してしまう疾患です。特に生後2〜6か月の赤ちゃんに多く、日本の乳児死亡原因の約1割を占めます。
SIDSの主な関連要因
- 睡眠中の姿勢(うつぶせ寝)
- 親や家族の喫煙
- 柔らかい寝具や寝室の高温環境
- 低出生体重児・早産児
- 母乳栄養の有無
SIDSは“体質+環境”の複合要因で起こるとされており、周りができる対策としては睡眠環境を整えることが最も重要な予防策と考えられています。
【SIDS予防】家庭でできる3つの基本対策
厚生労働省・日本小児科学会などが推奨する、SIDS予防の基本は次の3つです。
① 赤ちゃんは必ず「あおむけ寝」にする
うつぶせ寝はSIDSの大きなリスクです。90年代以降、世界的に「あおむけ寝運動」が広まり、SIDSの発生率は大幅に減少しました。医師から特別な指示がない限り、生後12か月ごろまではあおむけ寝を心がけましょう。
中にはうつぶせ寝が好きで、戻してもすぐにうつぶせに戻ってしまうという赤ちゃんもいるでしょう。できる限りでのあおむけ寝を心がけ、うつぶせ寝になってしまう可能性がある場合は布団の周りにぬいぐるみなどを置かない、寝具は最低限にするなどを徹底してください。
② 母乳育児を行う
母乳育児は赤ちゃんの免疫を高め、SIDSリスクを低減する効果があると報告されています。母乳そのものの免疫効果に加え、夜間授乳など授乳時に親子が向き合う時間が多くなることで、睡眠時の異変に早く気づきやすいというメリットもあります。
③ 家の中は完全禁煙にする
喫煙はSIDS最大のリスク要因です。受動喫煙だけでなく、衣服や家具に残る三次喫煙も危険と言われています。家庭内では完全禁煙を徹底し、赤ちゃんの周囲を清潔な空気環境に保ちましょう。
上記3つのポイントに加え、赤ちゃんを温めすぎないということも大切です。部屋の温度を上げすぎたり、洋服を着せすぎたりすることで体温が上がってしまうこともリスクの一つであると言われています。つい、寒くないか心配で着せすぎてしまうという保護者の方は多いと思いますが、赤ちゃんの体温は元々思った以上に高いです。大人の洋服の枚数マイナス1枚を心がけ、着せすぎに注意しましょう。
赤ちゃんの睡眠環境を整えるためのチェックリスト
- 寝具は硬めで顔が沈まないものを使用する
- ベッドや布団のそばにぬいぐるみ・枕を置かない
- 室温は20〜22℃前後を目安に調整する
- 厚着をさせすぎず、ガーゼケットやスリーパーを活用する
- 寝ている間もときどき呼吸や体勢をチェックする
これらの小さな積み重ねが、SIDSを防ぐ可能性を高くすると言われています。
保育園が実践するSIDS対策とは?
保育園では、国のガイドラインに沿ってSIDS対策を徹底しています。多くの保育園で採用されている取り組みは以下の通りです。
- 午睡チェック表で5〜10分ごとに呼吸・体勢を記録
- 午睡センサー(体動センサー)の活用
- うつぶせ寝の防止・再体位の徹底
- 顔を覆わない寝具の使用
- 保育士による巡回・ダブルチェック体制
こうした「定期的な見守り+記録+再確認」の仕組みが、保育園でのSIDS事故防止に役立っています。自分の子どもが通う(通う予定の)保育園がどのような対策をしているか気になる方は、園の職員に尋ねてみましょう。
ベビーシッター会社でも保育園と同レベルのSIDS対策を実施
近年、ベビーシッター業界でもSIDS対策を重視する動きが広がっています。例として弊社bon voyage有栖川の日中・夜間シッターサービスでは、保育施設と同等レベルの以下安全管理を行っています。
- SIDSの基本知識・対応についての研修を行う
- 睡眠時5〜10分ごとの呼吸・体勢・顔色チェックを行う
- 寝具環境・室温の最適化を徹底する
- 異変時の迅速な通報マニュアルを整備し、勤務時すぐ参照できるよう携帯する
家庭でも「保育園並みの安全体制」を実現できるのが、訪問型ベビーシッターの強みです。
夜間はどうしても“見守りの目”が届きにくい
保護者の多くが口をそろえて言うのが、「夜だけは、どうしても目が届かない」「起きて見張っているわけにもいかない」という悩みです。SIDSは“睡眠中”に起こることが多いため、夜間の見守りは極めて重要です。しかし、出産後の保護者は慢性的な睡眠不足に陥りやすく、特に多胎児や夜泣きが続く家庭では、見守りを続けること自体が難しいのが現実です。疲労が蓄積した状態では、赤ちゃんの小さな変化にも気づきにくくなります。
「寝ている間も気が休まらない」「ついウトウトしてしまう」そんな不安を抱えたままの育児は、心身ともに大きな負担になります。
夜間ベビーシッターで「安全」と「休息」を両立
そこで注目されているのが、夜間ベビーシッターサービスです。
近年、共働き家庭・多胎児家庭を中心に、「夜の数時間だけでも安心して眠りたい」という声が急増しています。夜間シッターは、保護者が休息をとっている間に、赤ちゃんの睡眠・呼吸・体勢・体温を定期的に確認し、必要に応じて対応します。
- 授乳・ミルク対応
- うつぶせ寝の発見と修正
- 呼吸チェックや体温確認
- 吐き戻しや汗のケア
- 異変時の迅速な対応
など、夜間に発生する様々な対応をすべてお任せすることができます。つまり、赤ちゃんを「安全に眠らせる専門家」が夜間に付き添うイメージです。
保護者の睡眠確保が、赤ちゃんの安全にもつながる
SIDS対策を語るとき、「赤ちゃんの睡眠環境」だけが注目されがちですが、実は保護者の健康状態や注意力も重要な要素です。親が疲れきっていると、どうしても判断力や反応速度が鈍り、結果として事故やトラブルのリスクが上がります。
夜間シッターの利用によって、親がしっかり休息できる→翌日も充分な体力を持って子育てできる→赤ちゃんも穏やかな環境で眠れる という“好循環”が生まれます。つまり、保護者の休息=家庭全体の安全性向上につながるのです。
SIDS予防と夜間の安心を両立するために
SIDS(乳幼児突然死症候群)はまだ完全に解明されていない難しい問題ですが、環境の工夫と見守りによって、確実にリスクを減らすことができます。保育園ではプロが見守り、対策を徹底しています。
そして今、家庭でも同じ安心を得られる方法が整いつつあります。
「夜だけでも誰かに見ていてほしい」
「久しぶりに安心して眠りたい」
そんな保護者の思いに寄り添い、夜間ベビーシッターは赤ちゃんの安全とご家族の安眠を守るために存在しています。
眠ることは、育児を続けるための大切な力です。
どうか無理をせず、必要なサポートを頼ってください。
夜間ベビーシッターサービスはこちら:bon voyage有栖川の夜間プレミアムベビーシッター
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